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部落問題資料室
NEWS & 主張
偽造者の本心見えず継続へ
差別ハガキ偽造事件で

「解放新聞」(2011.02.07-2505)

 【福岡支局】「関係者のみなさまにご迷惑をおかけし、申し訳なく思っている」。筑後地区協議会(中山末男・委員長)は12月8日、「差別ハガキ偽造事件」で偽造者K本人を交えた初の糾弾学習会を久留米地域職業訓練センターでひらいた。事件の解決のために尽力したものの、K本人がお詫びの言葉をくりかえすだけで、K本人の本音の考えが見えてこず、本人の意思を確認して再度、糾弾学習会をひらくことで散会した。

初の糾弾学習会
  糾弾学習会には、同地協・支部の役員や同盟員をはじめ、県連から吉岡正博・書記長と福永謙二・人権対策部長が、またこの事件にかかわってきた行政やマスコミ関係者ら56人が参加した。
  冒頭、中山委員長が、「差別ハガキ事件の犯人が、被害者の自作自演であったことは晴天のへきれさで、決して許すことのできない事件だ。この事件から発足した第三者機関の提言委員会から指摘されたとおり、福岡の解放運動の一大汚点となり、同盟員の信用を失墜させたばかりか、多くの方に迷惑をかけてきた。今後、差別のない社会の実現に向けた一員になるよう期待したい」と訴えた。
  これにたいしKは、「同盟の方がたやこの事件にかかわっていただいた多くの関係者のみなさんにご迷惑をおかけし、申し訳なくおもっている」など、おわびの言葉をのべた。
  糾弾学習会は、「仕事保障を求めることが、なぜ差別事件を偽造することにつながったのか」「社会的信頼を裏切った行為をどう認識しているのか」「今後、真摯な反省と社会的な謝罪をふくめどのような行為をおこなっていこうとしているのか」など、問題点を提起し意見交換をおこった。
  しかし、参加者からの質問や憤りの発言に、Kは終始、本音を語らなかった。そのため、最後に吉岡県連書記長が、「おわびの言葉だけが並べられるだけで、心の底からの反省が伝わってこない。出された質問をもっと本人なりに整理して次回の糾弾学習会で答えてほしい」と継続・再開を確認した。

差別ハガキ偽造事件とは
  この事件は、2003年12月から5年8か月にわたり旧立花町と町の嘱託職員にたいして、計44通もの差別ハガキ・封書が送りつけられたもの。2009年7月7日、被害者のK嘱託職員の「自作自演」であったことが判明し、逮捕され、同年10月26日の第3回公判で「懲役1年6か月、執行猶予4年」の判決が確定した。
  なお、県連は、2009年11月24日付けで、「差別ハガキ偽造事件」についての最終見解と決意を表明した(本誌2449号掲載)。


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