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部落問題資料室
NEWS & 主張
運動の原点から
第56回関東女性集会
平和と人権を提起

「解放新聞」(2011.09.12-2534)

 部落解放第56回関東女性集会を8月27、28日、群馬県みなかみ町でひらいた。350人が参加し、解放歌斉唱のなか、都県連の刑冠旗入場で開会した。開会行事では、田中初枝・東京都連女性部長が主催者あいさつをし、県行政のあいさつ、石川早智子さんのアピールがつづいた。基調報告を高橋晶子・長野県連女性部長がおこない、特別報告として「私の歩んだ道」を群馬県連の川田ふじ子さんがおこなった。また、鎌田慧さんが「原発体制を越えて-人間の未来へ」と題して記念講演をおこなった。
  基調報告では女性部活動の7つの課題を提起。狭山第3次再審闘争の勝利のための異体的な活動のほか、「人権教育・啓発推進法」をバネとした人権行政の確立の運動の推進、高齢者や障害者が安心してくらせる町づくりや村づくりが捏起された。また、人権侵害にたいする効果的な被害者救済制度の実現や、国内外の女性たちと連帯して反差別・反戦・平和の運動を強化し、「平和のないところに人権はない」という解放運動の原点を再認識した運動を女性の手ですすめていくことが捏起された。
  記念講演では、鎌田さんは、これまでの嘘に満ちた原発政策は政府と財界の犯罪的行為だと批判。巨額の助成金で地域を翻弄し、反対運動を圧殺してきた。総括原価方式(原価に3%の利益を上乗せした額をもとに算定する方法。ゴミの使用済み核燃料も資産として原価にふくまれる)で国民に転嫁させるペテン的システムなどを批判。原子力発電に見え隠れするのは、クリーンな発電に名をかりた核兵器開発の軍事的意図だとも語り、「安全な人間的な自然エネルギーへの回帰が必要であり、これで脱原発社会の転換ができるのかどうか、私たちの力量が問われている」と訴えた。

分科会では
  2日目は6つの課題で分科会討議がおこなわれた。第3分科会「生活と福祉」では「神奈川県連の人権・相談活動」が報告され、地域相談員、総括相談員とのきめ細かい連携で活動をおこない、アイヌ民族やハンセン病回復者の闘いに学ぶ研修をしてきた。地域内外をつらぬいて、ともに支えあう社会の実現へ向けた活動として位置づけ直していくことが課題とのべた。
  第5分科会「反差別・反戦・平和」分科会では、東京都運から沖縄出身者が「沖縄に生まれて」と題して報告した。沖縄が歴史的に抑圧されつづけてきたことを指摘。報告者自身が、そうした歴史に翻弄されながら「痛みに満ちた」沖縄を生きてきた。基地のない沖縄の実写」そが日本の平和への一歩であると訴えた。
  また、第6分科会の「狭山闘争」では部落解放同盟中央本部の安田聡さんの講演につづいて、石川一雄さん、早智子さんが訴えをおこない、埼玉県連女性部から活動が報告された。早智子さんは、3者協議に向けた情宣活動がはじまったことにふれ、さまざまな人たちとの出会いが力になっているとのべた。父親を殺され判決公判に臨むという女性の話を披露。あきらめずに闘いつづけてきたことが出会いを生む。これこそが闘いそのものだ、と報告した。


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