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部落問題資料室
NEWS & 主張

エネルギー政策のあり方など議論
広島、長崎、福島で原水禁世界大会

「解放新聞」(2012.09.10-2584)

 被爆67周年原水爆禁止世界大会が、8月4~6日に広島市で、7~9日に長崎市でひらかれた。ヒロシマ大会の開会総会には全国から6500人が、ナガサキ大会には4500人が参加し、部落解放同盟も中央本部・各都府県連から参加した。

さまざまな角度から議論を深め

 ヒロシマ大会の初日夕方から、原水禁・連合・核禁会議の主催による「核兵器廃絶2012平和ヒロシマ大会」が県立総合体育館でひらかれた。主催者あいさつで古賀伸明・連合会長は、核兵器の廃絶に向けた決意を表明するとともに、原発問題について「連合は、依存度を低減し、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会をめざす」とのべた。来賓として、広島県副知事、広島市長、スティーブン・ベネディクト・国際労働組合総連合(ITUC)人権・労働組合権局局長があいさつ、核兵器廃絶への決意をのべた。
  被爆者からの訴え、平和アピール採択などのあと、閉会あいさつで川野浩一・原水禁議長は「原発について3団体で意見の違いはあるが、福島原発事故をふまえたエネルギー政策のあり方の議論を深めていきたい」とよびかけた。
  2日目は、分科会やフィールドワーク、ひろばなどがもたれた。高橋中執が運営委員をつとめた「脱原子力~地震と原発そして再稼働問題」の分科会では、長沢啓行・大阪府立大学名誉教授が講演。阪神淡路大震災では鉄柱の破壊も多数見られ、地震多発地帯の日本に原発をつくるべきではないと強調。福島原発事故でも地震動によるパイプの破壊もあったのではないかと、電力会社の地震過小評価に疑問を投げかけ、今後の調査の必要性を訴えた。
  そのあと全国の原発立地県からの現状報告があり、すべての原発に活断層の問題がつきまとうことが語られ、「安全性の評価に福島の反省が活かされていない」「廃炉にするにしても被曝労働の問題がつきまとう」など、さまざまな角度から議論を深めた。
  3日目は、原水禁国民会議主催で「まとめ集会」がひらかれ、ヒロシマアピールが採択された。

脱原発への政策転換をかちとる

 ナガサキ大会の開会総会は、県立総合体育館でひらかれ、南雲弘行・連合事務局長が主催者あいさつ、「核保有国にたいし核兵器の具体的な削減計画の策定などを3団体で要請した。また原爆展の開催や、語り部継承のための器材作成にとりくんでいる」と報告、核兵器廃絶へのとりくみをよびかけた。
  長崎県知事、長崎市長のあいさつ、被爆者の訴えのあと、高校生平和大使のとりくみが報告された。高校生平和大使は1998年から毎年、高校生が集めた署名を国連に提出しており、国連欧州本部で原爆写真や遺品の展示が常設されたことが成果として報告され、今年派遣される高校生も決意を表明した。
  長崎大会も広島と同様に2日目は分科会などがもたれ、3日目は原水禁主催のまとめ集会がひらかれた。藤本泰成・原水禁事務局長は、再稼働を許さず、脱原発への政策転換をかちとるとともに、ヒバクシャ援護、核廃絶、オスプレイ配備反対など、大会で出された問題に正面から立ち向かうことをよびかけた。また、最終日には早朝から墓参活動をおこなった。


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