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部落問題資料室
NEWS & 主張

偽造見抜けず被害拡大
東京行政書士会の
「甘い処分」を厳しく批判

「解放新聞」(2013.02.25-2608)

 戸籍の大量不正取得事件で昨年9月に逮捕されたいわゆる「群馬ルート」の主犯・0元行政書士の不正事件で、部落解放同盟は1月21日、東京都渋谷の東京都行政書士会と交渉をもった。交渉には、片岡中執、長谷川三郎・東京都連委員長などが参加した。交渉では、2008年10月に三重県鈴鹿市の市民課職員が、通常の職務上請求書は「義務履行」であるべき文字が0行政書士のものでは「業務履行」となっていることに気づき、0本人と東京都行政書士会に通報したが、都行政書士会が不正を見抜けなかった問題について、都書士会が調査結果を報告した。
  都書士会によると、08年10月24日、鈴鹿市から日本行政書士会に問い合わせがあり、日本行政書士会は10月28日に東京都行政書士会に調査を指示。都書士会は0行政書士をよび出し、11月17日に総務部会5人の役員立ち会いのもとに0書士を査問した。しかし、0書士は、「事務はすべて事務員にまかせていて詳細は分からない」「鈴鹿市から原本(0書士が請求した職務上請求書)が届いていない」と嘘をつき、いい逃れた。都書士会は、「鈴鹿市から原本が属いたら提出すること、0書士には職務上請求書を販売しない」と告げ、その日の事情調査を終了した。
  その後、0書士は12月3日に廃業届けを提出したが、都書士会は書類不備でこれを受理せず、0書士の廃業は宙づり状態となった。0書士は、翌09年5月10日に、「原本を紛失したので報告します」「鈴鹿市から原本が郵送されたが、受理していないので管理責任にたいする始末書を提出します」との始末書を都行政書士会会長に提出し、会長はこれを受理、その結果、0書士は不正の発覚を免れただけでなく、いったん提出した廃業届も撤回して業務を続行することになった。
  解放同盟側は、「不正を指摘されながら十分な調査もせず、偽造を見逃してしまった。また、本人が発覚を恐れて廃業届を出しているのに処理を引き延ばして受理せず、最後に始末書を提出させて業務を続けさせたのは、身内をかばったとしかいいようがない。共同正犯といわれても仕方ない」と厳しく批判した。また、「08年のこの時点で請求書の偽造を摘発しておれば、その後の不正取得は防げたはずだ。0書士は、08年から翌年9月の間だけでも1億5千万円の巨額の不正収益を得ている。不正取得で大勢の被害者がいることを深刻に考えるべきだ」と続けた。中西豊・会長は、「まさか偽造しているとは思わなかった。甘い処分となったといわれても仕方ない」と弁明した。解放同盟からは、当時の会長らを調査して報告するよう求めた。

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