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部落問題資料室
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全国の高校生の新たな飛躍の場とするために、第45回高知全高へいこう

「解放新聞」(2013.07.01-2625)

 今夏の7月31日から8月1日にかけて、部落解放第45回全国高校生集会を高知県高知市でひらく。かつて、全国奨学生集会と称していた頃の全盛期と比して、参加者数が減少していることは否めない事実であるが、部落出身者はもとより、各地で差別や人権問題に熱心にとりくむ高校生や、さまざまな生い立ちや背景をもった高校生が一同に集う場として今日にいたっており、本集会の意義はますます深まっている。
  今後とも、全国の高校生たちが自由闊達に意見表明をおこない、志をともにする多くの仲間との出会いをとおして、自己研鑽と自己変革の一助となるように、各都府県連・支部の協力を得ながら、今日の高校生の実態を反映させた集会のもち方や内容など創意工夫した開催を追求していきたいと考えている。
  各地で、高校生が抱えている差別にたいする不安や悩みなど、高校生を取り巻く差別の現実を明らかにするとりくみをすすめ、高校生活動の再構築を図っていこう。

 今日、解放運動の成果でもあるが、直接的な被差別体験を自覚している高校生は、多くない。しかも、学校の人権・同和教育のなかでも、部落差別について、過去の事実として教えられている場合も少なくない。一方で、IT全盛の高度情報化社会のなかで、差別を扇動し、人権侵害を助長するような情報が飛び交っているのも現実である。
  先に高知でひらいた全国高校生活動者会議では、部落差別は過去の歴史の話だと思っていたが、身近な差別事象を体験していらい、「大人になるのが怖い」という心情を吐露した高校生がいた。これから先の自分の将来の行く手を阻むかもしれない存在として、はじめて目の前に登場した部落差別について、漠然とした不安を言葉にしたものだ。
  こうした高校生一人ひとりが抱える不安や悩みに、高校生の仲間はもとより、支部や地域の青年や大人たちがともに向き合い、差別と闘うことをともに考え、行動に移し、一つひとつの課題を解決していく、人と人とのつながりを再構築していくことが求められている。

 今から10年前、文部科学省が、朝鮮学校をはじめ民族学校の卒業生に大学受験資格を与えないという決定をしたときには、民族差別であるとの多くの批判にたいして、撤回を余儀なくされた。しかし、今回の朝鮮学校の高校無償化からの除外に関しては、政府の判断を公然と支持する勢力も現れ、多くの反対の声や国連からの批判にもかかわらず、粛しゅくと敢行された。
  もはや、日本社会は、「差別はよくない」という建前さえも機能しなくなっている危機的状況にある。
  こうした社会状況を許さず、打被していくためにも、部落解放をめざす高校生一人ひとりが、差別の撤廃に向けて自分の考えと思いを明らかにし、差別を許さず、人権を守るというごく当たり前のことが、当たり前となる社会の構築に向けて行動をおこしていこう。
  第45回高知全高では、全国の高校生の新たな飛躍の場とするために、日頃の各地でのとりくみの成果や課題、悩みをもち寄り、活発な交流と議論をすすめよう。


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