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部落問題資料室
NEWS & 主張

ドキュメンタリー映画
SAYAMA
~みえない手錠をはずすまで~

「解放新聞」(2013.12.16-2647)
再審開始の波をおこす
  狭山事件50年。石川一雄さんの無実をかちとるための大きな力がえられた。映画「SAYAMA~みえない手錠をはずすまで」が完成し、各地で上映運動が始動。石川さんの再審運動に拍車がかかった。東京、新潟、大阪での上映と、これからの上映日程を掲載する。

闘いの入口として
  【東京】狭山事件の再審を求める市民集会(10月31日・東京)のあと、映画「SAYAMA~みえない手錠をはずすまで」の完成上映会を東京・日本教育会館でもち、700人が参加した。上映に先立ち、金聖雄・監督と石川一雄さん、早智子さん夫妻が映画上映への思いを語った。石川さん夫妻は「この映画を若い人、狭山を知らない人の狭山を知るきっかけにしたい。各地で上映運動を」と訴えた。
  また、上映後には作家の落合恵子さんとやくみつるさん、金監督がトークイベントをおこない、狭山事件・石川さん夫妻との出会いや映画の感想、狭山再審への運動の方向などを撮影エピソードも交えながら語りあった。それぞれ、「3年間撮影をとおして石川さん夫妻のともに明るく、前に向かっていこうとする姿に胸が締め付けられた。この映画で再審開始の波をおこしたい」(金監督)、「再審も開始されていない現在進行形の問題なのに風化しようとしている。映画をひとつの運動の形、ムーブメントとしてほかのえん罪被害者とも連帯しとりくんでいこう」(やくみつる)、「運動の形はひとつではない。歌うのも、語るのも、この映画も運動。上映運動をとおして狭山の闘いの入り口になるものにしよう」(落合恵子)と力強く語られた。

「2人が素敵だ」と
  【新潟】映画「SAYAMA~みえない手錠をはずすまで」の全国上映がはじまった。新潟県内は11月16日の長岡市に続いて、25日に佐渡市の元気村でおこなった。主催は、県連のほか、被差別部落の伝統芸能である「春駒(はりごま)」の継承にとりくむ佐渡扉の会(金山教勇・元佐渡市議)などによる実行委員会(委員長=藤岡正典・成願寺住職)で、250人が鑑賞した。上映後には、石川一雄さん、早智子さんと、この映画を製作した金聖雄・監督が対談した。上映前には石川さんの無罪獲得を願って春駒が上演された。
  藤岡さんは、「なにか石川さんの役に立ちたいと思ってきた。映画と講演をとおして学ばせていただき、自分の存在と石川さんの存在が共有できなかったら自分の存在はないという思いになっていただけたらありがたい」とあいさつした。
一雄さんは、「東京高裁は3者協議の場で8項目の証拠開示勧告をした。これが開示されれば私の無実は明らかになる。みなさんの力で検察庁にたいして証拠開示を求め、裁判所には事実調べ、再審開始を求めて声をあげてほしい」と訴えた。
  早智子さんは、「夫・石川一雄は32年間獄中にいた。えん罪に巻き込まれたことは不運だが、獄中で文字を学び、志ある多くの人たちと出会ったから決して不幸ではないという。私は部落を隠して生きてきたが、みずからのえん罪をはらし、差別と闘う石川一雄さんのメッセージと出会った。だから私はここにいる」とのべ、多くの人が事件に関心をもってほしいと訴えた。
  金聖雄監督は、「石川さんは50年という長さにわたって無実を叫び続けてきた。この映画は石川さんを支援する人びと800人のカンパで製作された。そのことに感謝したい。狭山事件を知らなくても映画を見て2人が素敵だなと思ってもらえばいい。そういう石川さんが殺人なんてやっていないと思ってくれればいい」と作品にかけた思いを語った。
  閉会あいさつをした実行委副委員長の金山教勇さんは、「映画と3人の話を聞いたこの日、この時闇とこの場所の名において、私たちの意思表示としよう」と提起した。

無実を確信できる【大阪】

―上映日程―
兵庫 神戸市 ラッセホール 12月16日(月) 開場15時50分
京都 京都市 東本願寺視聴覚ホール 12月17日(火) 開場17時30分
大分 国東市隣保館 12月19日(木) 開場18時
埼玉 さいたま市 浦和コミュニティセンター 12月20日(金) 開場18時

     ―――――――――2014年
大阪 大阪市 阿倍野区民ホール 1月11日(土) ①開場14時 上映14時40分 ②開場17時30分 上映18時10分
兵庫 神戸市 兵庫県民会館 けんみんホール 1月13日(月) ①開場14時上映 14時40分 ②開場17時30分 上映18時10分

問い合わせ先
   映画「SAYAMA」
   製作委員会
   電話・ファックス
      042・316・5882


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