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部落問題資料室
NEWS & 主張

「巌は帰ってきた」と姉のひで子さん
袴田事件 再審開始決定報告集会で
いっそうの支援訴え

「解放新聞」(2014.04.21-2663)
 袴田事件の再審開始決定報告集会が3月30日、静岡市の静岡労政会館でひらかれ、全国から市民ら約180人が参加した。主催は支援団体でつくる全国実行委員会。
  袴田事件弁護団の西嶋勝彦・団長、小川秀世・事務局長ら、各弁護人から決定内容や再審開始にいたるこの間の活動の報告がおこなわれた。
  同じえん罪被害者として、島田事件(1954年)の赤堀政夫さん、足利罫件(1992年)の管家利和さん、氷見事件(2002年)の柳原浩さんが、みずからのえん罪体験と再審無罪にいたる闘いと袴田巌さんの闘いを重ねて、一日も早い再審無罪をと訴えた。
  各支援団体のアピールのなかで、日本プロボクシング協会事務局長で同協会袴田巌支援委員会委員長の新田渉生さんは、世界ボクシング評議会(WBC)が、元プロボクサーである袴田巌さんに「名誉チャンピオンベルト」を贈ることが決まったと報告した。
  釈放後、最初に袴田さんに面談した「浜松・袴田巌さんを救う市民の会」の寺澤暢紘さんは、袴田さんが「長い闘いだった」「勝ったんだね」などと話していたと報告した。また、車イスにすわるときに拘束されることへの不安をつぶやくなど、袴田さんが釈放されて自由を実感するまでに時間がかかると思えたとのべ、今後もいっそうの支援をと訴えた。
  最後に、姉の袴田ひで子さんが再審開始は弁護団、支援者のおかげと感謝し、「6人兄弟姉妹で兄2人は亡くなった。(事件当時の)母親の悲しそうな姿を見た。いまでも思い出す。親孝行のつもりで闘ってきた。巌は帰ってきた。それだけでいまはうれしい」と長い闘いを振り返った。
  袴田さんは死刑囚としての48年におよぶ拘禁のため現在も入院し、健康回復につとめている。集会では、袴田さんの入院生活費などを支援するための基金を設置したことも報告され、募金のよびかけもおこなわれた。
  袴田巌さん支援基金口座
ゆうちょ銀行 二三八支店(普通)3833391岡島順治

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