新年のご挨拶

荊冠旗のもとに団結し、部落解放運動の前進をかちとろう

部落解放同盟中央本部
中央執行委員長 組坂 繁之

 新しい年を迎えました。全国の同盟員と兄弟姉妹、そして部落解放運動の取り組みに連帯・協働をいただいている皆様方に、この間の闘いと反差別共同闘争を前進させていただいた取り組みに感謝申し上げ、新年のご挨拶を申し上げます。

 今日、安倍政権は「働き方改革」として、長時間労働の合法化と、非正規労働者の増大など労働法制の改悪を強行する一方で、生活保護費の減額をはじめとした社会保障費や医療費の削減をすすめています。また、年末には、人権無視の低位な労働条件のもとで外国人労働者の受け入れを可能にするなど、日本社会全体の差別と格差をいっそう構造化させていく「入国管理法」改悪が強行されました。さらに、「種子法」廃止や「水道法」と「漁業法」改悪など、私たちのいのちや生活を破壊する施策もすすめられました。

 しかも、安倍政権は集団的自衛権の閣議決定をはじめ「特定秘密保護法」や「戦争法」「共謀罪」など、「戦争をする国」づくりをすすめています。とくに、沖縄・辺野古の新基地建設でも明らかなように、沖縄の民意をまったく無視するなど、、反人権主義、国権主義の政治を推しすすめています。私たちは、安倍政権がすすめる憲法改悪を断固阻止し、戦争につながる全ての政策に反対する広範な闘いを前進させなければなりません。

 昨年は世界人権宣言70周年という大きな節目の年でした。この記念すべき年に、安倍政権が狙う憲法改悪案の国会での提示を阻止したことは大きな成果です。本年も、部落差別撤廃、人権と平和、民主主義の確立をめざす闘いの先頭に、しっかりと荊冠旗をうちたてて、連帯・協働のとりくみをすすめていきましょう。

 2016年12月に公布、施行された「部落差別解消推進法」具体化は、当面する部落解放運動の重要な課題です。「部落差別解消推進法」は、部落差別が今日でも厳しく存在することをふまえ、部落差別は社会悪であるとし、部落差別を許さない社会づくりをめざして、国や自治体が、相談体制の充実、教育・啓発の推進、実態調査の実施などを明記した、部落解放行政の基本的な方向を示したものです。

 私たちは、「部落差別解消推進法」の制定をふまえ、条例づくりをはじめ、部落差別撤廃にむけた地域での要求、要望を集約しながら、行政交渉を強化することが必要です。また、「人権教育・啓発推進法」の活用、「人権のまちづくり」運動の活性化なども重要な課題です。さらに、個別人権課題に関わる「障害者差別解消法」や「ヘイトスピーチ解消法」の制定をふまえ、それぞれの取り組みの成果や課題を共有するなかで、人権委員会創設を含む包括的な人権の法制度の確立に向けて協働したとりくみをすすめていくことが重要です。

 狭山再審の闘いでは、半世紀以上も無実を叫び続ける石川一雄さんの不屈の闘いに応え、事実調べ-再審実現をかちとるために、全力をあげましょう。これまで、自宅から発見された万年筆が、被害者のものではないとした「下山鑑定」や、脅迫状に関する「福江鑑定書」などが新証拠として提出されました。こうした石川さんの無実を明白に示す多くの新証拠を広く世論に訴え、必ずや再審開始をかちとりましょう。

 今日、社会的な不満や不安が安易に差別排外主義と結びつき、暴力や差別を公然と扇動するヘイトスピーチや鳥取ループ・示現舎のような悪質極まりない差別言動が続いています。私たちは、この間の裁判闘争の勝利はもちろんのこと、差別糾弾闘争をますます強化し、部落差別の実態を社会に広く明らかにしていかければなりません。

 全国水平社の闘いは、厳しい差別と弾圧に抗して、人間解放をめざして、すべての人びとに「荊冠の祝福」を現実社会のなかで顕現させるための苦闘の連続でした。この全国水平社の闘いを正しく継承する私たちは、差別と戦争に反対する部落解放運動の飛躍に向けて、荊冠旗のもとに固く強く団結し、全国の仲間たちととも全力で闘いをすすめましょう。

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