部落解放同盟中央本部
中央執行委員長
組坂繁之

　新しい年を迎えるにあたり、部落解放同盟に結集される兄弟姉妹の皆さん、そして連帯・協働の取り組みをともにすすめていただいている皆さんの活動に感謝申し上げます。
　昨年は、松本龍元副委員長が環境大臣に就任するなど、文字通り、政権交代という大きな政治の変革を有利な条件としながら、「人権侵害救済法」の早期制定や「人権教育・啓発推進法」の活用、「人権のまちづくり」運動の推進などに全力をあげてきました。また、狭山再審闘争の闘いでも、３者協議のなかで証拠開示をかちとるなど闘いを大きく前進させてきました。
　一方、昨年の参議院選挙闘争のきびしい総括をふまえ、今後の部落解放運動をどのように再構築していくのかが、本年の重要な課題です。支部－都府県連－中央本部が、率直な意見交換、建設的な討議をすすめながら、地域での部落解放運動を強化していくことが求められています。とくに、生活や福祉、「人権のまちづくり」運動などの具体的な課題で、地域における部落解放運動を着実に前進させ、支部組織と運動を活性化させることが重要です。
　政権交代では、私たちは人権と平和を基軸にした政治の変革がすすむことを期待しましたが、さまざまな課題で成果をあげているとはいえません。いまだに経済の低迷が続き、格差社会のもとでの不安定な雇用状況や貧困の問題が解決されていません。
　さらに、こうした社会的な不満や不安が背景となって、悪質な差別事件が起こっています。私たちは、部落差別撤廃にむけた広範な取り組みをすすめるとともに、人権と平和の確立にむけた政治の実現を共通の目標にしながら、今春の統一自治体選挙に勝利しなければなりません。
　本年も、部落差別撤廃、人権と平和の確立にむけた連帯・協働の取り組みを大きく拡げるために奮闘しましょう。

 

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