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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第1991号/00.10.23
  ボランティアという言葉が定着して長い年月がたつ。しかし、この言葉が定着する前は大変だった。本紙では、なるべく新来の横文字(カタカナ)用語は使わない方針。その意味や概念が読者にわかりにくいからだ。だから20数年前などは、「無料奉仕活動」と漢字で書いて、その横に「ボランティア」とふりがなをつけた/こんなことが笑い話になるほど定着したこの言葉、本来は、戦争への志願者をつのる、という意味だったが、みずからすすんで社会事業などに参加する人、奉仕活動というところにおちついてきた/もっとも20数年前の「無料奉仕活動」は誤り、サービスという概念に、無料も有償も両方含まれているのと同じように、奉仕活動にも両者があるからだ/ある個人のひょんな思いつきが、歴史を動かしたり、社会を変えたりすることがある。ある国のある首相が、私的に意見を聞く機関が「奉仕活動」をいいだしたとたん、「いまの学校教育制度のなかで全員が奉仕活動をおこなうようにする」といいだし、公開討論まで始めているのが、現在の事態/学校という所は、子どもたち一人ひとりが主人公なのだ。彼らのあるがままの存在を体全体、保護者、学校、地域全体でうけとめ、自己実現へ力をさしのべること。一番大切なのはここだ。納得できない「奉仕活動」をつうじ「思いやりの心がうまれるだろう」というのは安易な思い込み、反発心をうむだけ/子どもをとりまく状況、現状に立って考えることこそ、これまでの失敗をくり返さない教訓とすべきでは、森さん。

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