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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2066号/02.04.22
 先ほど、久しぶりにひらかれた党首討論をみた。結論的にいうと、討論ならざる、いいっ放し、聞きっ放し、というのが実態。民主党を除いた各党に時間がなさ過ぎるのと、論点をさけ、焦点をずらす方法だけが駆使されているからだ
▼この国の政治のなかに討論というものはないのか、と思わず悩みこんでしまう。が、小泉首相が「備えあれば憂いなし」と語ったことだけは印象に残った
▼たしかにそうだ。「備え」のためにどんどん悪法を準備している。メディアを規制するための三法、精神障害者にたいする保安処分である「心神喪失者処遇法案」、「テロ資金規制法案(カンパ禁止法)」などなど。そして、今国会を大幅に延長してまで成立をはかろうとしているのが「武力攻撃事態法」である。成立のため国会を八月まで大幅に延長しようとの案まで出ている
▼武力攻撃事態とは、武力攻撃のおそれのある場合、予想されるにいたった事態と定義され、いかようにも恣意的に運用可能なのだ。しかも中身はアメリカの戦争に追随するためのもの。憲法論議以前の問題としてこの法案は存在する
▼「備え」とは、戦争国家になることであり、そのためにすべての人びとを管理、支配、抑圧することが必要になってくるのだ。すべての人びとをたんなる情報の固まりとしてとらえ、それを資本に提供しようとするのが、この間の一貫した流れ
▼この国の為政者には人間が見えないのだ。

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