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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2072号/02.06.10
 驚くべき事件が発覚した。これも内部告発だと考えられるが、M紙がすっぱ抜いた。これまで防衛庁に情報公開を求めた百四十一人の職業、生年月日、属している市民団体名、思想信条が、全員を調査し、記入され、複数の他の部署にまで回覧されていたのだ
▼リストに反戦自衛官と書かれた、軍事評論家の小西誠さんは、自衛隊内の調査機関である中央調査隊の協力なしでは、このようなリストは作成できないことを明らかにしている。つまり、防衛庁長官がいうように一個人が勝手に指示なしに作成したものではない、ということだ
▼小西さんは、以前は墨塗りも少なくスムーズに資料が出てきたが、最近は三か月くらい待たされ、しかもほとんど墨塗りで意味がないほどだと、情報公開の実態も示している
▼情報公開法があってもこの有様。官の資料はおまえらには見せない、というわけだ。しかも行政機関がコンピュータにいれて持っている情報については、それを漏らした場合についても罰則規定はないのだ。政府機関が違法行為をするわけがない、というのが理由だ
▼しかし、それが真っ赤な嘘であることを示したのが、今回の事件だ。あらゆる個人情報を、住民基本台帳法の改定を通じ、官はますます蓄積することになる。差別につながる情報もだ。一人ひとりの市民がみずからの情報をコントロールできるシステムを作ることこそが、いま求められているのだ。

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