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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2095号/02.11.18
 オリバー・ストーン監督の映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のクライマックスは獄中での殺害犯へのインタビューとその後の刑務所内の暴動だ
▼アメリカの刑務所はまだ日本に比べると人間的ではある。獄中からの電話も許されている。それでもあれだけの大暴動がおきる。もちろん、これは映画での話だが。やはり、根源的な人間の自由、尊厳を認めない施設だからだ
▼日本ではどうだろう。刑務所は、犯罪を犯した者に罪を反省し、「社会復帰」の機会を与える場のはずだ。ところが実態は「社会復帰」を妨げ、人間としての存在を否定するものとしてある
▼多くが「職務上の指示」の名のもとで恣意的に運営されているのではないか。名古屋刑務所で起こったこともそうだ
▼たとえば保護房収容は一時隔離で七日間が限度とされているが、刑期の二千四百四十七日中千四百十五日を保護房に入れられた囚人を、裁判所は断続して入れられているのだから問題がない、としている
▼保護房には、皮で腹を思い切り締め上げ前後ろを皮手錠でしめられたまま放り込まれる。食事は「犬食い」、大小便は垂れ流しだ
▼保護房は暴行、逃亡の恐れがある者が入れられることになっているが、それも恣意。人権侵害の見本市のような事態が刑務所内では日常的に引き起こされている
▼そのような事態を放置してきた法務省に、はたして人権擁護を語る資格があるのだろうか。

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