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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2102号/03.01.13
 松井やよりさんが昨年末亡くなった。肝臓ガンだった。父、平山照次・牧師が大きな夢をもって築きあげた東京山手教会で葬儀が営まれ、千人が参列した
▼松井さんは朝日新聞の記者をへてアジア女性研究センター、戦時女性への暴力ネットワーク日本を設立し、女性国際戦犯法廷の実現へカを尽くした。アジア女性資料センターの代表でもあった。本紙でも組坂委員長との対談を一番最初にお願いした
▼昨年十二月、アフガニスタンで体調を崩し、帰国後すぐに末期の肝臓ガンを告知された。アフガンで倒れたときのことを、松井さんは記している
▼「医師からすぐ帰国して検査を受けるようにすすめられたとき、悪い予感がしました。死の恐怖がよぎって眠れないままに夜が更ける中で、ふと、戦争資料館というアイディアがひらめきました」「その資料館のために、老後の貯えや自分のマンションなどを全部提供しようと思いました。そう考えているうちに、私は、今死に直面することの無念さや悔しさが消えて、これが今私に与えられた使命ではないかと思い至って、心が鎮まり、眠りに落ちることができたのです」と
▼「女たちの戦争と平和資料館」こそ、松井さんの最後の願いでもある
▼アメリカが事前予防措置として「悪の枢軸」のなかの一国であるイラク攻撃を合理化するなどという現状のなかで、松井さんが願った資料館設置の意味には大きなものがある。

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