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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2128号/03.07.14
 自民党の国会議員による女性差別発言があいついでいる。太田誠一議員は、「集団レイプをする人はまだ元気がある、正常に近い」と発言した。これは「男性に配偶者を求める覇気が欠けていることが少子化の原因」「それほど強く異性を求めているのであれば、きちんと結婚する相手を求めるべき」という文脈で出てきたもの
▼森喜朗元首相は「子どもを1人もつくらない女性が、自由を謳歌し、楽しんで、年とって、税金で面倒をみなさい、というのは本当におかしい」と発言した
▼共通しているのは少子化論議のなかで出てきた発言だということ。太田議員の発言は男は覇気をもって女性を獲得せよ、レイプせよ、支配せよということ、男女関係は婚姻という形しかない、という意識を示している
▼森元首相の発言は、子どもをつくることは、婚姻という形能による男性による身体支配を受けたものしか認めない、という意味を含んでいる
▼いうまでもなく男女関係はどちらかが支配するような関係ではなく、婚姻は強制されるものではない。こうした一連の発言は、性暴力被害者への想像力をまったく欠く。対偶命題を考えると恐ろしいものが想像できる
▼つまり、国民とは国家の政策にしたがい、結婚し、労働し、きちんと税金を納めたもの以外にはない、というイメージである。支配的、差別的道徳律で国民を縛ろうとするときは、政権が危機のときなのだ。

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