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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2160号/04.03.08

歴史の中の文学・芸術
参加の文化としてのファシズムを考える

池田 浩士 著  河合出版(定価750円)

書籍画像 著者の池田浩士さんは、大学闘争さなかの1968年に京都大学に赴任、教官共闘のひとりとして闘い、ドイツのナチズム文学や思想を研究対象に、「ファシズムと文学」「抵抗者たち」「ドイツ・ナチズム文学集成」など多くの著書がある。
 その池田さんは、一度もドイツにいったことがない。「そこにいっても見えない者には見えない。そこにいかなくても見える者には見える。必要なのは、その時代の社会とそこに生きた人びとを、そのもっとも具体的な姿で再構成する『想像力』なのだ」と、池田さんは思っている。
 この著書も、歴史を知ること、歴史と向き合うことの基本的な姿勢と重要性を、繰り返し指摘。戦争と革命の時代としての20世紀を、文学・芸をとおして検証し、革命からファシズムへの道を、民衆参加の文化として考え、提起している。とくに、若い人に一読をすすめたい書だ。
 その池田さんは、今月で定年退職。20日には「ナチス『第三帝国』とボランティア」と題して退職記念講義をする。(MT)

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