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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2157号/04.02.16
 ハンセン病元患者の宿泊を拒否した熊本県にある黒川温泉ホテルの親会社であるアイスターがウエブ上で抗議文と同社の返信を個人名、住所も含めてそのまま公開している。理由は、商業新聞などで一方的に報道されており、反論のために抗議文とそれへの同社の返信をそのまま紹介する、というものだ
▼これを読めば、同社が問題にたいしてまじめに対応し、誠意をもってやってきたことがわかる、と思って公開していることがわかる。個人情報もくそもない、むちゃくちゃなやり方だが、それ以上に宿泊拒否の根拠が明確になっている
▼いわく「人権を侵害する意図はない」が、当日は別に60人以上の宿泊予定者がありそこへ元患者の人たちが来ると、宿泊予定者が心ない人たちだったらパニックになったかもしれない、などと厚顔にも書き込んでいる。どうしてこんな見解が出てくるのか
▼その根拠はこうだ。今の社会のなかにはハンセン病元患者にたいする差別があり、そのことにたいするきちんとした理解がされていない現状では問題が生じるから、ということである。換言すれば、差別社会の限りなき容認、ということだ
▼たとえば部落差別にもとづく結婚差別でもこうした論理が使われる。私は結婚に反対ではないが、親戚に迷惑をかけ、世間の差別の目が注がれるから反対だ、というものである
▼ともに世間を変革するという視点こそが必要なのだ。

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