pagetop
部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2168号/04.05.03
 飛行機から降りるとそこはまだ冬が残る世界。7、8度と冷える。山には雪が残り、その冷たさを風が運んでくる。風に打たれると体が心底まで冷える
▼しかし、地平線までが見渡せる広大な世界は、本州にはないものだ。北海道の4月はまだまだ春を待つ季節なのだ
▼歴史的に北海道はアイヌ民族の地だ。近世から松前藩がアイヌとの交易を独占し、巨額の富を奪った。しかも、富だけでなく生活、環境、土地も奪った
▼近代にはいると、開拓という名のもとに、本州から多くの日本人が入り込み、アイヌが住む無主の土地を奪い、自分たちのものにしていった
▼しかし、開拓の名のもとに来た多くの人びとは、貧しく、本州では生きていけない、という存在だった。開拓にも資本が必要だった。農地などに転用するためには時間がかかった。その間、食いつなぐ必要があったからだ。資本のない開拓者は、ここでもつぶれるしかなかった
▼パレスチナに住む人びとを強制的に追い払い、ここは自分たちの国だと一方的に宣言し、さらに領土を広げようと、入植地を作り出したのがイスラエルだ。ここでも、ユダヤ人の貧困層を入植者にし、暴力的衝突の最前線に使う
▼この間のイスラエルはパレスチナの抵抗闘争の指導者を直接殺害してきた。共存への模索をせぬ彼らの誤算は、人は抵抗するカを奪われても、それは一時的だ、ということがわからないことだ。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)