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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2211号/05.3.21

ぼくは写真家になる!

太田 順一 著  岩波ジュニア新書(定価740円)

書籍画像 写真家太田順一さんの被写体になったことがある。生野民族文化祭をおもに撮影した写真集『女たちの猪飼野』。そこには私の青春が息づいている。太田順一さんを思うとき、まばたきのように静かなシャッター音を思い出す。実際は聞こえていたかいないのか思い出せないが、私たちは記録されているというより、私たちがやろうとしていることを根っこから信じてくれた「相づち」のようなものを感じたものだった。民族楽器と踊り、伝統的な民衆劇の様式、それだけを手がかりに、日本社会に風穴をと、たいそうなことを考えていた私たちは認めてくれる人がそばにいてくれてうれしかった。
 人間を描こうとするとき、ふとした瞬間に自分の傲慢さや鈍磨した感性を見つけて、立ちすくんでしまうことがある。自分との葛藤は孤独だ。太田順一さんの写真家としての葛藤を誠実につづった1冊がこの本。思いは濃密だが、文体がスマートなのも太田さんらしい。越えたい人が存在することは最高の贅沢だなあ…読後感だ。 (汝)

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