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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2244号/05.11.14

サンカの民と
被差別の世界

五木 寛之 著  講談社(定価838円)

書籍画像 「われわれ東京人は、理論としでは差別を理解できても実感がないんですよ。(…)東京にはあまりそういう現実がなかったものですからね」。こう語る東京出身者に驚いた経験も紹介されている。
 この発言にたいし、著者は「江戸・東京こそが差別の原点だ、と私は考えてきた」と語る。そして弾左衛門をはじめ浅草の被差別民をも明快に語り、「江戸の文化も東京の繁栄も、中心部から周辺部へと押しやられていった地域に根ざしている」とする力強さに、私は本書のすごさを感じた。
 たとえば人身売買の本山「吉原遊郭」の部分にも、部落差別をなくすのでなく、「部落はない」と言い出す発想にもつながる、歴史の闇を隠し、同じ過ちをくり返しつづける日本の歴史を感じた。
 吉原の繁栄は、平均は、21、22歳ほどで死んだ、万単位の人数の女性の悲惨な境遇の上にある。その吉原にも、いまではマンションなどが並び、かつての痕跡は見当たらない。しかし日本は人身売買大国だ。
  「人間の尊厳」という意味を噛み締め直した。     (K・S)

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