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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2203号/05.01.31
 新年に映画「ハウルの動く城」をみた。これまでの宮崎作品とは、ちょっと違ったできで、理解しずらかった。もっとも映画館の方は、前人気にあおられ、立見がでるほどの盛況
▼この映画、じつにわかりにくい。というのは、90歳の老女になる魔法をかけられた主人公の女性が、それをとかれたわけでもないのに、ときどき少女にかわること。もう一人の主人公のハウルは戦争をやめさせようと奔走するのだが、何が原因でどのような戦争がすすんでいるのかもわからない。など
▼でも子どもたちは喜んでみている。へんに合理的意味づけをすることが問題なのかどうか、考えこんでしまう
▼その点、素直に感動できるのが映画「ネバーランド」。ピーター・パンの物語を生み出した作家ジェームズ・マシュー・バリを描いた作品。夫を亡くした女性と四人兄弟の子どもたちとバリとの交流、愛情をたんねんに描く。心あたたまる交流のなかからできたのが、ピーター・パンの物語なのだ
▼20世紀初頭のイギリスを背景にしたこの映画、登場人物は、すべてハイ・ソサエティー。当時は労働者階級の人びとは一目でわかったという。身なりはもちろんだが、体格が抜本的に違ったという。両極化した階級が視覚的にも判別されたのだ
▼題名のネバーランドとは一種のユートピア。当時のイギリスのような二極化がいま生まれている。現状変革へもユートピア思想は必要だ。

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