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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2203号/05.02.14
 本紙前編集長の土方銭さんが、2月5日、亡くなった。「新日本文学」の最終号に絶筆となった「言葉の路地」が掲載されている
▼部落解放運動のなかで、「かなりの間いろんな人と接して、言葉を聞き覚え、辞書を引いたりして覚えていった」ことが書かれている。運動、社会科学、哲学などの言葉を理解するのは、並大抵の努力ではなかったはずである
▼土方さんは、狭山闘争に初期の時代からとりくみ、闘いの全国化に大きく貢献した。大阪府連の旗開きでの土方さんの講演が参加者の共感をよんだのだ。狭山のとりくみへの根底には、ちょうど12歳違いの青年―石川一雄さんが、文字を獲得し、訴える姿が、みずからの言葉への苦闘と重なったからに違いない
▼土方さん、石川さんの苦闘は、人間がもつ潜勢力を開花させること、つまり自己解放への大きな第一歩なのだ。この途は、多くの部落の活動家が、歩んできたものでもある。解放運動の原点なのだ
▼狭山再審闘争はいま重大な局面にある。新証拠をつぎつぎと重ねるなかで、石川さんの無実は決定的に明らかになっている。最高裁がどういう判断を示すのか、世間の注目を浴びている
▼狭山の闘いにかつこと、このことが土方さんの思いに報いることだ、とは中山武敏・主任弁護人の言葉
▼土方さんの生の軌跡を見つめながら、部落解放―人間解放への遺志は私たちが受け継ぐことを誓い合いたい。合掌。

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