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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2208号/05.02.28
 2月13日午後、テレビ朝日系列で「ザ・スクープ」が全国放映された。狭山事件での兄を犯人と思わせての自白の強要。取り調べのさいの両・片手錠の現実、など代用監獄の実態が示された
▼また、石川さんの無実を示す証拠――「発見」された万年筆のインクの違い、脅迫状封筒の「少時」は万年筆で書かれ、しかもその下の部分には、万年筆で書かれ、インク消しで消された文字が存在する、などが紹介された
▼筆跡に関しては脅迫状と石川さんの筆跡は違っていてもいい、それは書くときの心理状況、条件によって違ってくるからだとする再審棄却決定への批判は、するどかった
▼放映後に、さっそく友人から連絡があった。これでもう狭山は再審開始ですね、よかったね、というものだった。ホントは、そんなに甘くないよ最高裁は、といいたい所だったが、世間的な見方がそんなものならそれでいい、と思った
▼マス・メディアが人びとに与える影響は、かくも大きい。それだけに、同じテレビ局が、部落差別を煽る中身の番組を放映したことは残念だ。やはり、第4の権力としての自覚と責任をきちんともってほしいと思う
▼メディアがどのようなかたちであれ、規制にたいして反対することはよくわかる。しかし、みずからの利害だけでなく、人権委員会が必要との前提に立った報道があまりにも欠けているのが現状ではないか。スキャンダル風の報道はしても。

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