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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2230号/05.08.08
 「民族浄化」という言葉が、1990年代の初頭に乱れ飛んだ。ナチによるジェノサイドを想起させるこの言葉、もともとは「あるグループの人びとを、その人種や家族を理由に、通常はカによって、また時には彼らを殺すことによってひとつの地域から移動させること」という意味だった
▼殺人をともなうかどうかという重要な点が不明なのだ。ある辞書には「この言葉はボスニアでの戦争を通じて有名になった」と書かれている
▼ボスニア紛争が他のものと異なったのは、「民族浄化」という言葉が一つのキャッチフレーズとして使われ、あっという間にあらゆるメディアが使いまくる言葉になり、言葉のイメージが一人歩きし、具体的な事実があろうがなかろうが濫用され、誰も止められなくなったとの指摘を掲載しているのが『ドキュメント・戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争』青木徹著・講談社文庫)だ
▼ボス二ア・ヘルツェゴビナ共和国と組んだ米のPR企業は、セルビアのミロシェビッチ大統領がいかに残虐な行為におよんでいるのか、それがマーケティングすべきメッセージだったと語り、民族浄化、強制収用所など欧米でナチを連想させ、トラウマとなった光景を思い出させるメッセージをうまく利用しNATOの空爆まで導き出したのだ
▼物事を善・悪に単純化し、短いフレーズでうまくささやくやり方、どこかの首相と似てないか。

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