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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2253号/06.01.23

戦後60年を問い直す

『世界』編集部 著  岩波書店(定価1700円)

書籍画像 雑誌『世界』は、昨年60年を迎えた。本書はその記念におこなわれた2つのシンポジウムをまとめたもの。
 その1つ「憲法をめぐる二重基準をめぐって」で基調報告をした坂本義和さんは、原体験にもとづく「護憲」運動は「改憲への動きには消極的反対でしかな」く、「平和主義も経済成長主義と経済大国化を補強こそすれ、その対抗軸としての有効性をもたなくなる」、憲法に依拠する平和主義は二重基準におかされており「「憲法も自衛隊も」「憲法も日米安保も」矛盾なく受けいれている現実」がある。これは、「ホンネとタテマエではなくどちらもホンネである」と指摘する。
 規範と現実のギャップは常にある。「もっとも重要な問題は、その二重基準を克服し、ギャップを埋めるために現実をどう変えるのかについての構想が、積極的・具体的に提示される」事だという。
 たしかに「9条」に収斂される「護憲」は、主権在民と根本的に相容れない「世襲天皇制」という二重基準のパラドックスに満ちている。(安)

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