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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2262号/06.03.27

痛憤の現場を歩く

鎌田 慧 著  金曜日(定価2000円)

書籍画像 『痛憤の現場を歩く』は『週刊金曜日』に2年間連載していた同名のシリーズをまとめたもの。
 「このような社会を子どもたちにつないでしまった。子どもたちになにを語るべきか」を、探しあぐねている途上でみつけた1冊。千葉・16歳少女殺害事件、1600人がリストラされる三菱自動車岡崎工場、桶川ストーカー殺害事件など、人間が踏みにじられた現場から、日本を問う1冊。
 都教委の再雇用拒否事件の章は、石原都知事のもと教育現場が管理強化される道筋のなか、良心的な教員が個人の資質を歪曲され、嘱託採用を拒否。官営回復を裁判で争う闘いを記す。
 本に登場する人びとは「(権力の)横暴にたいして抵抗している人たちであり、その痛憤である」と鎌田さん。その痛憤をたどり文章にした筆者のエネルギーを尊敬する。
 「裁判は、日本の未来から裁かれるべきものである」。さきの都教委事件の結びであり、私が刻んだ言葉だ。現実を鋭敏に見つめながらも、あるべき未来について雄弁でありたい。  (汝)

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