pagetop
部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2280号/06.08.07

靖国神社「解放」論
本当の追悼とは何か?

稲垣 久和 著  光文社(定価952円)

書籍画像 この国がどこへいくのか。来る8月15日、小泉首相の靖国参拝強行の動きが暑い時節をさらに熱くしている。小泉政権と一緒に靖国熱を煽ってきたマスコミも、「昭和天皇もA級戦犯の靖国合祀に不快感」と報じ、世論調査で6割が参拝に反対となった。
 小泉ら多くの日本人は、靖国神社を「戦没者を追悼する場所」と思っているが、中国や韓国をはじめアジア諸国・民は「軍国主義の象徴」と見ている。靖国神社は徹頭徹尾、「皇軍兵士」を弔う軍事施設である。
 「靖国問題で立ち往生している日本。解決を急がねば、日本はアジアで、ひいては世界で孤立していく」と筆者はいう。そして、日本にも「靖国原理主義」が存在し、靖国がいかに日本の伝統からはずれ、戦没者追悼のかたちを歪め、日本の置かれた状況を閉塞的なのものにしているかをなげく。「靖国問題」解決には、「賛成・反対」「保守・リベラル」という二元論の域を脱する視点に立ち、新たな国立追悼施設が必要と説く。結論には異議ありだ。 (M.T)

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)