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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2289号/06.10.09
 子どもが大好きで近所の犬をよく見に行く。裏の犬「ジョン」は大型犬だがおとなしい。よくせがまれて見に連れて行く。ある時、飼い主に「この犬の名前はジュンです」といわれた
▼何という勘違い。だが、子どもはまだ言葉が十分に話せない。だから、いまだにジョンだ。最近、その犬を見に行くと犬舎に表札が掲げられており「ジュン」と書かれていた
▼安倍首相が強調する「美しい国、日本」というキャッチコピーを見たとき、「美(うま)し国」と見えた。この人もグルメなんだなーと一瞬思ったものだ。これも勘違いだった
▼このコピー、どう考えても川端康成の「美しい日本の私」のパクリ。この表現も、本当は「の」ではなく「と」ではないかと70年代には論議されたものだ
▼首相の所信表明演説が9月29日におこなわれた。「美しい国、日本」とは「文化、伝統、自然、歴史を大切にし、自由な社会を基本とし、規律を知る、凛とした国」だという
▼そこから透けるのは、「日本」中心史観をもとに、国家のいうことを忠実に守り、新自由主義を貫くということだ。新自由主義=市場原理主義が格差固定社会を生み出しているのだ
▼市場原理主義は、規制緩和の名のもとにアメリカの巨大資本の参入をつぎつぎ認め巨利を与えている。やはり首相のめざすところは、巨大資本にとっての「美し国、日本」というのが現実の姿ではないか
▼これは勘違いではない。

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