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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2427号/09.07.13
 「核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として、アメリカには行動する道義的責任がある」。米のオバマ大統領が4月5日にプラハで演説した中身だ。これを核兵器廃絶こそが、米国のすすむ道と解釈するのかどうか、論議が分かれるところだ
▼被爆地の広島、長崎では理想主義を掲げるオバマの核廃絶演説として好意的に受け止められている。しかし、オバマは「核兵器が存在する限り、アメリカは、いかなる敵であろうと、これにたいする抑止をおこない」とも語っている。ここに見え隠れするのは、核抑止論と大国による核独占という現実の肯定だ
▼8月の暑さのなか、今年も全国各地で反核のとりくみが大きく盛り上がろうとしている。ところが、これを挑発するかのように、「日本は侵略国家でなかった」などと書き連ねた、田母神元航空幕僚長が、広島で8月6日に講演会をひらく。ここでは日本のために核武装が必要だ、と強調するという
▼あるいは最近跋扈するのが「在日特権を許さない市民の会」などという、被害者意識をもとに、差別・排外主義を公然と煽る運動体。元「ネット右翼」が、街頭に出てきた新たな極右団体がこれ
▼田母神やこうした極右は、この時代状況のなかで通底している。小さい動きから出発し、ユダヤ人やロマ、性的少数者、政敵などを虐殺するにいたったナチの歴史を私たちはもつ。いま差別・排外主義を根底から撃たねばならない。

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