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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2457号/10.02.15
 哲学者の三木清が疥癬のために獄死したのが1945年9月26日。三木は転向後もスケールの大きな哲学学の構築をめざしながら、総力戦体制への抵抗と参与という矛盾に満ちた道を選んだ
▼三木の死に驚いたアメリカ人ジャーナリストによって、敗戦後も政治犯が獄につながれ不当にあつかわれている現状にスポットがあてられ、ようやく治安維持法の廃止、政治犯の釈放へとすすむ
▼この敗戦時のどさくさに裁かれたのが横浜事件だ。雑誌の編集者ら60人が逮捕され、30人以上を起訴した。あまりの拷問に4人も獄死者が出た
▼敗戦を迎えながら、治安維持法がそのまま引き継がれてきた現実にも驚くが、横浜事件の再審請求にたいして、治安維持法の廃止と大赦で起訴そのものに効力がなくなったから免訴だ、という最高裁の決定にはもっと驚いた
▼そこには、真実を発見し、無辜を救済するという再審の理念すらなかった。ようやく、先日の刑事補償請求で実質的に無実とする決定が出た
▼裁判員裁判がはじまって、もうすぐ1年。「裁判員として参加する一般市民をえん罪に加担させるような誤りは絶対あってはならない」と松岡とおる書記長は、さきの代表質問で強調した
▼狭山事件は証拠開示勧告へと大きく動いた。このとき、「特集・再審が動いた!」を組むのが『冤罪ファイル』という雑誌。ほかにも、布川、足利事件も追う。巻末の狭山をテーマにしたマンガもおもしろい。

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