pagetop
部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2499号/10.12.20
 最近よく見る夢がある。狭山再審の夢だ。事実調べがかちとられ、無罪が確定するのだ。これを何とか正夢にしたい、と思うのだが、夢のなかでは、どういう論点から事実調べがおこなわれたのかが、はっきりしない
▼夢のなかでの記憶がはっきりしない。ただ、覚えているのは、こんなところから突破口が開くのか、という意外な論点である、ということ。しかも再審裁判はあっという間に終わって、無罪が言い渡される
▼こんな感じなのだ。だから、なぜこんなえん罪が起きたのか、誰にどのように問題があったのか、えん罪を生み出したことへの反省など、いっさいないのだ
▼ある弁護士にこの話をすると、とにかく早期に無罪が出たのだったら、それでいいではないか、といわれた。たしかにそうだ。だが割り切れないものが残る
▼布川事件の再審公判が結審した。再審でも有罪を求刑する検察の厚顔さは許されない。来年の判決で、えん罪への反省の言葉や視点もないなら、これも割り切れないものが残る
▼「メダルの表と裏」という言葉がある。戦争と平和は、メダルの表と裏だ。つまり一体なのだ、という意味だ
▼裁判で明確になるのは、検察と裁判所が表裏の関係、一体となっている姿。現実をふまえるなら、こういわれてもしかたないだろう。供述調書に頼る、検察の出す証拠を鵜呑みにするなど裁判所の姿勢は一貫している
▼こうした実態に風穴をあけることこそ、求められている。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)