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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2502号/11.01.17
 今年124万人とは何か。じつに人口の1%を切った。これは今年20歳を迎える新成人の数。少子高齢化がすすむなかで、数少ない存在となるのが若者だ
▼最近の若者の特徴としていわれるのが社会的なとりくみ、運動への参加が少ないとの指摘。学生運動や部落解放運動への参加もたしかに少ない。では、それはなぜか。ある社会学者は、こういう。若者に社会が変化する、激動するという感覚がなくなってきているからだ、という
▼資本主義の1人勝ちという現実のなかで、違うメカニズムを構想することはリアリティを欠くことであり、「何でもあり」の社会のなかで正義を熱く語ることも若者の琴線にふれない、と説明する
▼そしてアイデンティティ(自分は何者であるかという意識)は、多元的に構成され、断片的でまとまりのないものとなった。それは、分裂し揺らぐ。若者たちの漂流は、そこからはじまる
▼若者たちだけでなく、公的領域が実生活から意味や実感を失い、私的領域での意味充実は他者とのかかわりを弱め、過度に個人的なものとなる、と指摘する社会学者もいる
▼中国や北朝鮮への軍事的警戒感や対抗意識が昨年来、大きく煽られている。まるでだから沖縄に軍事基地は必要だ、という理屈に合わせるように
▼現代の若者や現代人の公的領域と私的領域のはらむ脆弱さのすきまを埋めようと、ここにナショナリズムという罠がまちかまえていることも知るべきだ。

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