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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2509号/11.03.07
 ある人にこんなエピソードがある。ある塾で講師を務めたこの人、生徒には自習せよと命じて、自分は新聞を広げて見ているだけ。生徒は自習などせずに遊ぶ。あるいはしぶしぶ自習するがやり方がわからない
▼やにわに立ち上がり、生徒を指名する。君はこんなことをして遊んでいただろう、君は自習をやりかけたが、辞書の引き方がわからない、辞書とはこう引くものだと教える
▼生徒たちはびっくり。ものを透き通してみることができる眼をもっているのかと。だから講師を信頼し、勉強に力を入れていく。もちろん試験の時も同様。生徒たちはカンニングなどはしない。じつは新聞に穴を開け見ていたのだ
▼こんな先生がいたらな、と思わせたのが最近の京大、同志社、早稲田などでの入学試験でのネットへの解答の問い合わせ事件。おそらく何らかの警告的なことを狙ったものと思うが、時代と技術がすすんでいることを思わせる
▼かつては教員から問題を入手、入れかわり受験、印刷する刑務所から入手などがおこなわれた。韓国では携帯電話の持ち込みを金属探知機を使ってまで禁止している
▼公平公正が私たちの社会の原則。しかしそれが現実に守られているのかどうか。入試にしても公平公正がいわれるのだが
▼親の所得と学力の相関関係がいわれる昨今。大学での学問研究とかけ離れた入試のあり方など、ここらで本格的に改革を考える時期にきているのではないか。

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