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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2520号/11.05.30
 桜井さん、杉山さん、おめでとう。水戸地裁は5月24日午後、ようやく2人に再審無罪判決をおこなった。2人が捕まったのは、1967年8月、一人暮らしの男性が自宅で物色されたうえ殺害された布川事件によってだった。事件から1か月以上たった10月、2人は別件逮捕された
▼警察は最初から2人を犯人あつかいし、桜井さんが5日後に自白。杉山さんも、それをもとに7日後に自白に追い込まれた。2人には明白なアリバイがあったにもかかわらずだ
▼70年に地裁は無期判決。控訴と上告は棄却され78年に無期刑が確定した。2人は千葉刑務所へ。そこには1年前に上告を棄却された石川一雄さんがいた。石川さんは再審請求をおこなっている94年末「改俊の情」を示さず仮出獄。2人も96年に仮出獄した。狭山の仮出獄を求める闘いが布川に連動したのだ
▼別件逮捕から自白へ、指紋もでない犯罪、アリバイの握りつぶし、裁判段階からの無罪主張など、狭山とよく似ているのが布川の特徴。再審は布川が先行し、このたび無罪をかちとった
▼証拠開示でくり返されるのが検察側の「不見当」という回答だ。これを執拗に「不見当」の証拠の存在を示し、開示をかちとってきたのが布川だ。それは無実の証、宝の山だった
▼勝利した闘いに学び、狭山でも証拠開示を重ね、それを新証拠とすることも求められている
▼つぎは狭山の勝利だという世論を、布川無罪を契機に高めていこう。

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