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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2549号/11.12.26
 つぎつぎと隣国をまきこんでいったアラブ諸国の民主化=アラブの春は、いまも続いている。たとえばエジプトでは旧勢力が軍部と結びつき民衆に弾圧を加えている。当然にも人びとは新たな変革を求める闘いを継続している
▼欧州を中心に席巻しているのが国債の債務不履行(デフォルト)による金融危機。国民国家をのりこえるはずのEUがこの危機のなかでその不可能性を示した。危機はいまも続き、他の諸国にも拡大しようとしている
▼国内では3月11日に東日本で大震災、大津波、原発事故がおこった。危険性はこれまでも指摘されていたが、こんな大規模で深刻な原発事故ははじめて。放射能被害は福島から全世界におよぶ
▼この復興のなかで問題なのは、地元の住民によりそったものではなく、こうしたショックを利用した大資本のための方策になること。そんな芽がすでに出てきている
▼カンのなかからドジョウが出てきたが、これがなかなかしたたか。これまでの歴代首相ができなかった所得・消費増税をたくらみ、中国敵視政策のうえにたって、アメリカに日本を市場として差し出すTPPに加盟しようとしている。一体、どこを向いているのだといいたくなる
▼忘年会シーズン到来。この1年のいやなことを忘れるのはいいが、忘れてはならないこともある
▼激動の年からのさまざまな課題を持続してとりくむことが、また来年も私たちに求められているのだ。

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