差し迫る破局を誰もが感じているのが現在の日本の状況だろう。破局とは、これまでどおりの生活がたちゆかなること。たとえば、大震災、津波、噴火、暴風雨、洪水、雪崩などなどの自然災害。あるいは経済的破綻による生活の継続の不可能、こうした事態をコントロールできない政治への不満や不信
▼まるで末法ではないか。末法とは平安時代の崩壊を受けて、仏法がおこなわれなくなる時代がきたと喧伝され、厭世観や危機感がかき立てられた。だが、これを契機に、法然、親鸞、日蓮により新仏教が創られた
▼末法に似た時代が現在だとすれば、こんな時に登場するのが複雑な状況を単純化し、敵と味方を作り出し、敵を攻撃することで民衆の喝采を浴び、政治や経済を新自由主義のもとにすすめようとする連中
▼新自由主義とはこれまで公共性や中小の漁民や農民、商業者のために守られてきた規制緩和を取り除き、そこを資本にとっての儲けの場にする動き。教育はもとより公共交通機関、水道、漁業、農業などが狙われている
▼3.11から1周年を迎えた。だが復旧半ば、原発事故の収束は何十年も先だ。こんなとき人びとは混乱と絶望感にとらわれる。東北は一つ、日本は一つというスローガンは、個別の現実を覆い隠してしまう
▼こうしたとき、心地よい言葉で人びとの間に入り込み、儲け口を広げようとするのが危機を利用した新自由主義だと知らねばならない。

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