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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2588号/12.10.08
 南海トラフ大地震、大津波に備え、シェルターや救命胴衣の製品化が広がっている。1人でも多くの人の命を救いたいという思いからだ
▼ある企業は大人4、5人用シェルター「プカプカ」を制作。庭やベランダにおき、津波発生と同時に逃げ込み、海に浮かんで救助を待つ。底に50キロの重りがあり、強度も強めている
▼ある建設会社は大学と共同で4~6人乗りのシェルター「救難まんぼう」を売る。船外機をつければ自力で移動できる。いずれもネーミングは愉快だが、これを使うときは大変な事態なのだ。シェルターには水や薬など、避難する人に合わせたものも必要だ
▼もうひとつは救命胴衣。浮力を強化し、流木などにあたっても体を保護できるように硬質ウレタンなどが使われている。おもしろいネーミングはないが、注文があいついでいる。これまで年間400個だったのが、いまは月間4000個とはある企業
▼これらの製品はいずれも実験などが繰り返され開発されているはず。自然などを相手にするものは実験が可能。だが、経済学などの社会科学は実験はできない。だから現象、データなどから読み解き、思考し、解明する必要がある
▼部落差別の現状はどうなのか。社会の変動とどう関連付けられているのか、などなどの分析と思考がいまほど試されているときはない
▼差別・排外、戦争が基調のこの時代の大津波に飲み込まれないための分析と思考が重要だ。

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