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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2612号/13.03.25
 「コンクラーベ」はローマ法王を選出する会議のこと。先週、アルゼンチン人の法王が115人の候補者のなかから5回目の投票で決まった。決まるまで「根比べ」というくらい投開票が繰り返される
▼コンクラーベが根比べに通じることからも、この名称は親しまれた。では、つぎの文章を読んで似ているのか、同じなのかどうか
▼「聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対」「交渉参加にさいし、一方的にすべての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」。前者はTPPについての自民党の総選挙公約、後者は日米首脳による共同声明
▼よく似ているようにはみえる。しかし、共同声明の前文には「日本がTPPに参加する場合には、すべての物品が交渉の対象になる」と明確に書かれている。つまり、あらかじめ聖域なき関税撤廃を求めないが、すべての物品が交渉の対象となることを意味している
▼この共同声明を、農業などへの関税撤廃に歯止めをかけたとして、安倍首相は交渉参加を表明したが、これは言葉の文(あや)、つじつま合わせにすぎない
▼さきにあめ玉をしゃぶらせるというのが一般的な交渉の方法だ。結局、思考やルールを一方的に押しつけられていつも交渉は終わる
▼対米従属こそが「国益」とする政策への抵抗こそが、いま確かめられる。民衆によるさまざまなとりくみは、まさに長期に続く 「コンクラーベ」なのだ。

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