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コラム
荊冠旗 第2650号/14.01.13
 「私は神になったようだった」とは、テレビドラマ「相棒」のなかの台詞。再放送を年末にみた。大都市東京のなかの監視カメラに、一瞬にして人の顔の特徴をデータ化し、指名手配犯や特定の人物の行動などを監視できる顔認識システムが実験的に組み込まれた。あらゆる人びとの行動を観察することが可能だったことが、最初の言葉をもたらした
▼もちろん、それは誤作動するのだが、ある人物がそれにより産業スパイであることがわかり自殺。例の二人の相棒が謎を解く、というものだ
▼解明するなかで、警察庁によるこのシステムの技術そのものが、海外へ流出していることがわかるが、実験やシステムのことを知られたくない官僚機構はそのことを伏せたまま、技術は盗み取られる、ということでドラマは終わる
▼ところが、実際に顔認識システムを使った実証実験が大阪駅ビルでおこなわれるという。もちろん、通行者には伏せたまま。「人の流れや滞留状況を分析し、統計データに加工して蓄積」するためと総務省の研究機構はいうが提供される側は使途を決めていない。だが現実にデータは蓄積され、「犯罪捜査」にも応用はきく。カメラ90台で人びとの行動を把握しようというのだ。しかも特定の個人の追跡も可能なのだ
▼全能の神になりたがるのが権力者だ
▼一人ひとりの人間のもてる力を全面的に発揮して生きていける社会、全能の神がいらない社会こそ必要ではないか。

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