サッカー日本代表監督も務めたジーコが、右手を突き上げている写真がA紙に掲載された。リオデジャネイロのカーニバルで山車上での写真だ。アントニオ猪木の「ダー」と同じ姿
▼猪木と闘ったことがあるイギリス出身のプロレスラーだったビル・ロビンソンが３日、亡くなった。日本のマイナー団体の外国人レスラーだったロビンソンは、ランカシャーレスリングで観客を魅了した。華麗で強いのだ
▼代表的な技が「人間風車」。技をかけて投げるスピードが早く、相手に受け身を取らせにくくする。決め技としてこれを使った
▼メジャー団体に移籍したのが1975年。アントニオ猪木とのNWRヘビー級戦は、60分フルタイムの引き分け。手に汗握る攻防はいまだにファンの語りぐさになっている
▼ロビンソンが変えたのは、ヒール（悪役＝外国人レスラー）とベビーフェイス（善玉役＝団体所属レスラー）という構図。外国人レスラーがはじめて善玉となったのだ
▼異様な姿と超自然的な力をもつ存在が妖怪。怖がられた妖怪も江戸末期にはアイドル的な存在になった。ヒールからベビーフェイスへの転換だ
▼ロシアと欧米諸国がウクライナとその南部のクリミア共和国をめぐり争っている。主権の侵害だと今回主張する欧米諸国も、同じことを世界で展開してきたのも事実。リアルな世界に存在するのは、国益という名のヒールを隠したベビーフェイス同士の戦争、人権無視だ。