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青年が語り合い
南王子水平社創立80周年記念し講演とシンポジウムで
「解放新聞」(2003.05.05-2118)

 

日韓連帯で金仲燮さんが

 【大阪】南王子水平社80周年記念の集いを4月3日、和泉市西教寺でひらき70人が参加。第1部は大阪人権博物館学芸員の朝治武さん、韓国慶尚大学教授の金仲燮(キム・ジュンソプ)さんがそれぞれ記念講演、第2部は「人類最高の完成に向かって――水平社を越えるぞ!」と題して青年によるシンポジウムをおこなった。
 朝治さんは、「南王子水平社の闘い」と題して講演、南王子水平社の創立のようすについて、資料を使って説明した。「南王子水平社は23(大正12)年5月、西教寺で創立大会がひらかれ、のベ1300人が参加し、『熱狂と興奮の大会であった』と書かれている。南王子水平社の活動で特徴的なこととして、①辞職届や欠席届などが残されていて、秩序だった組織活動をしていたことがうかがえる②大津警察署にたいする質問の文書を出していて、警察は差別的で、われわれの水平社運動や糾弾にたいする見解を求めている。徹底した差別にたいする糾弾活動をおこなっていた、ことなどがあげられる。歴史という領域で何かできれば」と語った。
 「韓国衡平運動と日韓連帯」と題して金さんが講演。今年80周年をむかえる衡平運動の歴史を簡単に説明しながら、衡平運動の精神を継承することの意義と重要牲を説明した。
 第2部の青年シンポジウムは、和泉支部青年部のメンバーを中心に府連青年部、和泉支部にかかわる教員など17人がバネリストとして、部落解放運動とのかかわりなどについて語り合った。宮川要二・和泉支部青年部長から、具体的な議論のテーマとして「これまでの部落解放運動を色にたとえると」「差別をなくすとはどういうことか」「これから自分自身どんな運動をすればいいか」などが出され、それぞれの立場で議論を深めた。
 そのなかで、①差別をなくすためなら部落外に出て行った方が良いのではないかという部落分散論が出る反面、部落内外にかかわらず個性を認め合って活動できる社会づくりをめざすための部落解放運動をやっているんだという意見②部落に住んでいる居心地の良さ、みんながいる安心感は外に出るチャンスを奪っているのではないかという意見にたいして、外に出ることの不安感があるという青年や、外に出て見えた部分がいっぱいあり、外に出て良かったと思うという意見③学校の先生からの、部落のことを学校内でどう教えたらいいかという質問について、プラスイメージをどう伝えていくか、いまの子に合った伝え方が必要だ、などの意見が出た。
 「これから自分自身どんな活動をすればいいか」については、①「自然体」で、それぞれが思ったように活動すればいい②部落差別にこだわらずいろんなものに目を向けていきたい③自分を大事にしながら生きていく④仲間に、自分の活動を伝えて、こういう人もいるんだなあと思ってほしい④部落解放同盟が解散して、部落発人権同盟になったらいい⑤誰と一緒に解放運動するかが大切だ⑥運動している反面、部落に住んでいることを誰にもいえない自分がいる。それでも部落解放運動は大切だと思うし、歴史と伝統を多くの人に伝えることは大事だと思う、など、自分自身の考えを出し合った。それぞれが語り合うなか、シンポジウムは深夜にまでおよんだ。


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