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国際人権集会で学ぶ
「差別禁止法」制定めざし

「解放新聞」(2003.12.01-2147)

 

 【神奈川】県人権センター(星野昌子理事長)は、11月13日午後、「いまこそ差別禁止法を!」をスローガンに「第14回神奈川国際人権集会」をひらいた。会場である横浜市の神奈川県民ホールには、約2000人が参加。第1部は、江橋崇・法政大学教授が「差別禁止法と人権条例」について講演。第2部は徳島から被差別部落の伝統芸である「箱廻し」が実演された。
 江橋さんは、国際条約を履行するための政府の位置づけが憲法上にないことが、国際人権諸条約を批准しても積極的にとりくむことを阻んでいると指摘。政府の働きが憲法には何のための政府か書いていないと指摘。このことが政府にとって、人権問題は、社会問題としてしか認識していないと現状を批判した。「国民の人権の増進のために政府を置くということを明記する必要がある」。また、「法律の策定は、当時者と共におこなうことが大事であり、行政は国民にたいする説明責任が欠落している」と批判。上から下への「措置」や「処分」ではなく、当時者とともに差別禁止法を制定し、社会福祉的な措置基準の改革が必要。「措置から契約」へという発想が求められているとのべた。


被差別部落の伝統芸でもある
徳島・三番叟箱回しの実演も

門付芸に会場沸く

 第2部では、この箱廻しを再現し、地域の文化を見直すために設立された徳島市の芝原生活文化研究所の辻本一英さんが、部落差別の過酷さのなかで箱廻しが廃れていった理由と、復活への苦闘のとりくみをみずからの生い立ちをからめて話した。
 箱廻しと三番叟を演じた中内正子さんと南公恵さんは、会社を辞してこの芸能の継承をしている。各地での公演のほか、昔ながらの門付けをはじめた。春を呼ぶ祝福の芸を携えながら、部落の誇りを言祝(ことほぐ)活動をつづけている。途中、縁起物のお菓子が振る舞われ、会場を沸かした。
 主催者あいさつは、三上哲伸・神奈川県人権センター副理事長(部落解放同盟神奈川県連委員長)がおこない、日本の遅れた人権状況を変えていくとりくみをさらに強化し、みなさんと共に人権社会の実現に向けて闘いを前進させたい、とのべた。


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