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交流し仲間ふやす
全国高校生集会大阪でひらく

「解放新聞」(2004.09.06-2184)

 

 部落解放第36回全国高校生集会を、8月28、29日、大阪・浪速人権文化センターを主会場にひらき、全国から24都府県780人が参加した。高校生は、みずからが部落民、被差別者であるという自覚のなかで、アイデンティティをどこに置くのか、誰とどのようにつながっていくのか、差別をなくすためには何をするのか、ネットワークをどうつくるのかなど、みずみずしい感性のなかで互いに発言し、交漁を重ねた。参加者からは、また来年も参加したい、友だち・仲間ができた、みんながつながって部落差別をなくしていこう、など積極的な声が多く出された。台風のため、参加できなかった県連や早く帰らざるを得ない県連などもでたが、部落解放運動の未来に大きくつながる集いとなった。

5分科会で討議深める

 全高では1日日、組坂委員長が主催者を代表してあいさつ。松本治一郎元委員長が教えてきた三つの誇りを胸に、心を合わせ部落解放―人間解放の「よき日」をめざしてがんばろう、と若い仲間によびかけた。石川さんは、学校でも地域でもえん罪を訴えてほしい、と訴えた。
 反差別の思いをこめた西郡の太鼓と、ロックバンドの演奏が全国から集まった高校生を歓迎した。
 その後、五つの分科会(①解放運動入門②高校生と解放運動③親の生きざまに学ぶ、自己を見つめる④反差別・人権のネットワークづくり⑤フィールドワークをおこなった。お互いに相手の顔が見え膝をつき合わすなかで意見を交わした。
 2日日は、分科会報告、全体発言のあと、大阪の実行委員会がアピールをおこなった。

集会のまとめ

地元で広げ、深めてほしい
吉岡 正博(教育対策副部長)

 第36回全国高校生集会は、盛り上がりがあったとの報告があった。一定の成果をえたと考えている。
 今回は、中四国地方でということで交渉してきたが、開催が困難ということで急きょ大阪府連にお願いした。本来、活動者会議をもち、それを高校生集会につなげる、ということだが、今年は予定していた7月31日、8月1日の活動者会議が台風で中止になった。こうした流れがなかったことが、一定の盛り上がりに欠けたものとして、反省している。
 今年は、2日間の集会だったが、来年は2泊3日でおこなうよう努力する。
 24都府県速から780人が参加した。

青年部活動とも結合を

 高校は、みなさんにとって生活の一部。そこで、差別発言問遭や人権・同和教育がある。同和教育がないところでは、徹底してとりくむことを要請することが大事ではないか。
 全高への参加の思いをさらに継続し、思いをつなげていくには、地元へ帰ってからの地域でのとりくみが大切。そこにつながっていくことを願っている。青年部の活動につながることも大事だ。
 大阪の地元実行委員会で力をもらいながら、内容づくりをした。今回の分科会―分散会には助言者が入っていない。こうしたやり方も、一つのあり方。高校生自身が、集会の内容をつくり出すことが大切だ。

奨学金で具体的制度へ

 奨学金の問題がある。02年度から一般対策に移行し、補助事業が始まった。これは、解放奨学金に比べ見劣りするが、経済的事情で高校にいけない人が活用することが可能で、部落外も含め多くの人を対象にしている。
 05年から、日本育英会の奨学金の高校生分が地方に移管される。新しい制度を地方ごとにつくることになる。地方で具体的制度を、きちんとつくつていってほしい。署名活動の要請もしている。とりくみを強化してほしい。

こなそうもらった宿題

 集会では、不十分な点もあったが、参加してよかった、との感想もあった。ここで、学んだこと、友だちと交流ができたこと、もっと部落問題を勉強する必要があるという宿題をもらったことなど、さらに地元で運動・活動として、広げ、深めてほしい。


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