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臨時国会で「救済法」を
制定めざし国会内外でとりくみ
国会論議ふまえて
3つの責任にもとづき

「解放新聞」(2004.09.20-2186)

 

中央集会ひらき意志統一
 部落解放・人権政策確立要求中央集会を9月8日午後、東京・星陵会館でひらき、全国から各地実行委員会メンバー1000人が参加し、秋に予定される臨時国会で「人権侵害救済法」の制定実現をかちとるために国会内外で闘いをすすめることを確認した。来ひんとして参加した自民、公明、民主、社民の各党代表は、よりよい法案を練り上げながら、ともにとりくみをすすめることを語った。

地方議会決議も

 基調のなかで松岡徹・実行委事務局長は、秋の臨時国会で「人権侵害救済法」の制定をかちとること、法案の中身はこれまでの国会論議をふまえ、「3つの責任」にもとづいた大胆に抜本修正されたものであることが必要な点を強調し、「パリ原則」などをふまえた法律に仕上げることが大事だ、とよびかけた。そのうえで具体的課題として与野党協議の開始、社会的世論の盛りあげ、政府・各党への波状的行動の展開、国際的なとりくみとの連携、地方議会決議促進のとりくみなどをあげた。
 開会あいさつで組坂繁之・実行委副会長は、秋の臨時国会で山場を作り、制定させよう、地方議会決議も促進をとよびかけた。また、主催者を代表して宮崎突保・実行委会長(代読)は、要綱試案を十分検討し、早期制定へとりくもう、部落差別をはじめあらゆる差別撤廃のためにいっそう努力しよう、と訴えた。

基調提案

事務局長
  松岡 徹

準備と体制整え、与野党協議や世論づくり、
波状的要請など追求し

 「人権擁護法案」提案の経過(背景)と抜本修正をめぐる経過でも明らかなように、人権侵害救済に関する法律は、部落差別の実態や名古屋刑務所問題などを直視して救済するための法制度を整備するという、いままでにない与野党の議論を積みあげてきた。政治責任にもとづく政治判断が先行されながら動いてきたし、与野党の政治合意が重視されてきた。この経過と到達点をふまえ、今後の「人権侵害救済法」制定も、「政府責任」や「国際責任」はもちろん、とりわけ「政治責任」にもとづく真摯な政治判断で、独立性と実効性をもった「パリ原則」に合致する法案としての1日も早い制定実現が肝要だ。
 抜本修正の闘いの成果をふまえて2月24日に策定・公表した「人権侵害救済法案要綱」(試案)には、公開シンポや各界での議論、地方実行委での討論学習会やパブリックコメントなどをふまえて多くの意見がよせられた。意見の集約を含め、8月9~10日の学者・専門家など関係者による検討会で、「人権侵害救済法要綱」(試案)の補強案をまとめた。要点は、当初の要綱試案の要点に加えて、「人権」の性質上、「革の根からの制度作り」と「独立性・実効性の確保の優位性」という視点を貫いた法案構成にすることだ。9月の「ヒューマンライツセミナー」で具体的に提案するので議論に参加し、補強しよう。
 法務省は秋の臨時国会に法案再提出を予定しているようだが、メディア規制削除などの「一部手直し」というものなら断固反対せざるをえない。これまでの論議を真摯にふまえ、「3つの責任」にもとづいて大胆に抜本修正したものでなければならない。
 日本の「国づくり」に人権確立はさけて通れない。そのための大事な人権侵害救済に関する法律。けっして与野党の政争の具にしてはならず、まして政府各省の省益の枠内にとどめてはならない。「人権擁護法案」廃案の経過での大きな抜本修正を求める世論と与野党議論の到達内容をふまえたものにせねばならない。
 私たちは、人権侵害救済に関する法律の早期制定を強く望み、今秋の臨時国会での法案審議と制定へのとりくみを推しすすめる決意だ。つぎのとりくみを中心にしながら、秋期臨時国会で早期制定をかちとろう。
 ①中央・都府県実行委を中心に臨時国会闘争の周到な準備と体制を整える。
 ②政治責任による政治判断をする公式の場「与野党協議」の早急な開始を求める。「人権侵害救済法」の周知徹底と臨時国会での戦術論議のため、各党と中央実行委との「政策懇談会」開催を要請するとともに、超党派の「人権政策勉強会」の活発な活動を要請する。
 ③法曹界やメディア界、人権諸団体に広範によびかけ、早期制定への社会的世論をつくる。各団体との意見交換会の設定や10月の適当な時期に「人権侵害救済法の制定を求める公開シンポジウム」開催を追求する。
 ④都府県実行委を中心に地方からのとりくみを強化し、政府・各党への働きかけの徹底とともに、早期制定を求める自治体決議も追求する。全国人権同和行政促進協議会や、全国知事会をはじめ地方6団体への働きかけも強化する。
 ⑤昨年の女性差別撤廃委員会や子どもの権利委員会のように「人権侵害救済法」制定には国際的な注目が集まっている。韓国のソウルで9月14日からひらかれる予定の「第7回国内人権機関国際会議」でも大きな関心事だ。この国際会議に参加した代表団を招請し、9月21日に大阪で「ヒューマンライツセミナー」をひらき、国際的とりくみとの連携を強化する。


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