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愛知県が学力要件摘廃へ
高校生奨学金事業で

「解放新聞」(2004.09.27-2187)

 

 【愛知支局】愛知県は、05年度から都道府県に移管される旧日本育英会の高校生奨学金貸与事業について、学力要件の撤廃などを実施する「県国公立高等学校等奨学金貸与条例の一部改正案」を、県議会9月定例会に提出する。
 条例改正案のおもな内容は、①日本育英会事業と現行の国庫補助事業、私学振興事業財団事業が原則的に一本化される②育英会事業で、これまで中学校の成績が3.5以上とされていた学力要件が撤廃され、勉学意欲があれば誰でも貸与を受けられる③所得要件も、生活保護基準の2倍以下に変更④貸与月額は、国公立1万8000円、私立3万円は現行と同額だが、国公立、私立とも返済額が少ない1万1000円の枠を設けて利用者が選択できる、など。
 また、4万4000人分の署名を集めるなど、とりくみをすすめてきた部落解放愛知県共闘会議は、10日、県庁で記者会見し、同会議副議長の高木浩司・県議が「来春実施に間に合うぎりぎりのタイミングでまとまった。一本化で制度がわかりやすくなり、学力要件が撤廃されるなど大きな成果が得られた」(地元紙報道から)と評価、多くの県民に活用してほしいとよびかけた。

解説
来春の採用に向けて最終的な制度設計が
  これまで日本育英会が実施してきた高校奨学金事業については、2005年度の新規採用分以降から地方移管され各都道府県が事業の実施主体となることが決定している。
 文部科学省は、移管後の奨学事業の制度内容について、利便性を損なわないこと、緊急採用制度を設けることなどを各都道府県に要請しているが、学力要件(成績条項)や所得要件、連帯保証人など各要件については、各都道府県の裁量の範囲であるとしており、現在、各都道府県教育委員会で来春の採用に向けて最終的な制度設計がすすめられている。
 これまでのところ、大阪府、愛知県、高知県、福岡県などで、解放奨学金制度が担ってきた役割や成果を損なうことがないように、現行の国庫補助事業や各都道府県単独事業、日本育英会事業のそれぞれの利点を活かした制度設計や運用がおこなわれることが明らかになっている。

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