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「教育基本法」改悪ストップ
9.18全国集会に2500人が

「解放新聞」(2004.10.04-2188)

 

 「教育基本法改悪ストップ! 全国集会」を9月18日東京・日比谷公会堂でひらき、全国各地から2500人が参加。「教育基本法」に関して与党協議会がまとめた「中間報告」(6月16日)の特徴と問題点を学び、「愛国心」「伝統文化」をテーマにシンポジウムをした。風刺コントや生演奏などさまざまなパフォーマンスも盛り込み、活気にあふれた集会になった。集会後、都内をデモ行進した。

愛国心と伝統文化
をテーマにシンポ

 主催は、平和フォーラムなどで構成する「教育基本法改悪ストップ! 実行委員会」。構成団体には部落解放同盟も参加しており、関東ブロックを中心に各地から結集した。
 特別報告で、前中教審委員の市川昭午さんは、与党協議会「中間報告」の問題点を①教育権利章典から教育勅語へ②教育憲法の否定と日本国憲法からの切り離し③教育への行政不介入から教育行政への影響排除へ、に分類。現行法の基本理念を大部分削除して「伝統文化」「愛国心」など20項目もの「国民が遵守すべき徳目」を入れたこと、現行法10条1項中の「教育は、不当な支配に服することなく」の主語を「教育は」から「教育行政は」に変えて「不当な支配」をする勢力から「教育行政」を除き、教育行政の正当性を自明化していること、などを指摘した。
 シンポジウムでは、ジャーナリストの斎藤貴男さん、作家の朴慶南さん、哲学者の高橋哲哉さんが鼎談。「日の丸・君が代」などについて都内の繁華街で聞き取り調査したビデオ上映もまじえ、前半は「愛国心」、後半は「伝統文化」をテーマに討論した。
 「愛国心」については、「『国家』を支配している人が『オレたちを愛せよ』『オレたちのために命を捧げなさい』といっているとしか思えない」「多様性、多文化の共生でなく、日本の同化政策、排外主義に結びついている。戦争ができる国になることと一体化している」「愛国心をもつならどうして反米にならないか」「国家権力の暴走をしばるためにある憲法を、一人ひとりの生き方をしばるものにしようとしている」「一人ひとりが自分の頭で考え、判断する、批判的に見ることを子どもたちに教えてほしい」などの意見が出た。
 「伝統文化」については、「ルーツに朝鮮半島があることを覆い隠した『日本固有の』はうさんくさい」「伝統文化に共通するのが家元制度。身分制・世襲は、階層の固定化をめざすことと同様。天皇を頂点とした階層化につながる」「伝統文化を固定した物として考えること自体幻想があるのに、伝統文化の強調を『家族』『家』の強調につなげている」などの意見が出た。


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