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部落問題資料室
NEWS & 主張
形だけの答弁に
兵庫大学の差別性を追求
興信所の身元調査容認発言で
「解放新聞」(2005.10.10-2239)

 【兵庫支局】「兵庫大学が身元調査を容認する発言をおこなった」ことで学習会を重ねてきた県連は、7月22日、4回目の学習会をひらき、話し合いをもったものの、大学の態度は形だけの答弁に終わり、本質を見ようとしない姿勢が浮彫りになった。近日中に第5回の学習会をもち、大学の差別性を継続して追及する。

学長所見に意見
学習会は継続へ

 この日の4回目は、事務部長から再提出された文書確認と学長所見について話し合いをおこなった。今回は、学長所見に意見が集中し、人権教育の位置づけの弱さなどを訴えた。
 学長からは、「人権教育を大学教育の根幹に据えるべきと考えている」との見解が示された。それをふまえ県連は、学長所見にもとづき、学内での授業プランニングと人権教育推進委員会からのアクションプログラムの提示を要求して、4回目の学習会を終えた。
 4回の学習会を重ねたものの、大学側の態度は、当初は「のど元過ぎれば」という対応で、その後は形だけの答弁に終始し、本質を見ようとしない姿勢が浮彫りになった。県連は、「使った言葉が悪かった。使うべきではなかった」との言葉は、指導的立場にある人間が発するにはあまりにもお粗末すぎと指摘し、「部落問題とは何か、人権とは何かを知ったつもりでいたことが今回の問題を起こした。その認識なしには真の人権教育はできない。就職率のアップだけを求めるのではなく、人権教育を基本に据えた授業や学内外のとりくみが兵庫大学には求められている」と4回目の学習会をまとめた。
 なお、10月に5回目の学習会を予定している。

事件と経過について
 事件は、11月に県連に情報が寄せられて発覚。
 昨年10月17日と31日の兵庫大学教育懇談会で、大学の教職員と学生の保護者が参加した「就職状況に関する説明」がおこなわれたさいに、学生センター事務部長が「ご父母へのお願い」として9項目をあげ、そのなかに「ご近所づきあいは大丈夫ですか?」というものがあり、「企業によっては興信所を使って調べることもあるかもしれません。近所に聞かれることもあります」と説明したもの。説明は、パソコンを使っておこなわれ、「興信所を使う企業あり→近所の方に聞くことあり」との言葉があった。
 県連は、直ちに大学側に事実経過の確認をおこない、大学がある地元の加古川市連協とともにこれまで学習会を重ねてきた。

 1回目の学習会(04年12月)では、身元調査が引き起こす部落差別の現実の認識と人権感覚のなさが明らかになった。
 2回目の学習会(05年2月)では、「興信所という言葉を使ったのがいけなかった。使う必要がなかった」 という答弁に終始。県連は、「興信所という言葉を使ったことが問題ではなく、就職にあたって興信所を使う企業があれば、大学として毅然とした態度で臨むことだ」と指摘。関係する西本願寺との話し合いの経過報告や事務部長の反省文提出を要求した。
 3回目の学習会(3月)では、事務部長から提出された文書は真意をのべておらず、文書の再提出や大学の見解などを要求した。


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