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部落問題資料室
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主張

 

人権週間のとりくみを強め
憲法改悪の動きと闘おう
「解放新聞」(2005.11.21-2245)

 「世界人権宣言は第2次世界大戦の深い反省から「差別を撤廃し、人権を確立することが恒久平和に通じるものである」として、1948年12月10日、第3回国連総会で採択された。
 この「世界人権宣言」の精神をふまえて、国連では27の人権関係条約が採択されている。残念ながら日本では、国際人権規約や人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約など12条約を締結しているに過ぎない。しかも条約の重要な部分、とくに差別を規制・禁止する事項については留保しているものが多い。
 さらに、イラク問題や「憲法改正」「人権侵害救済法」をとりまく動きのなかで、新保守主義や国権主義、民族排外主義の台頭が強まり、人権が軽視されていく今日、「世界人権宣言」の精神を確認する人権週間のとりくみはきわめて重要な意義をもっている。

 世界を震撼させた「9.11」以降、「国際テロ撲滅」を口実にした米軍を中心にしたアフガニスタン攻撃やイラク先制攻撃など、いまだに世界の多くの地域で戦火が絶えない。小泉首相も、一方的に米・ブッシュ大統領に追従して自衛隊の海外派兵を強行するとともに、世界各国が派遣軍の撤退を検討しているなか、また派遣延長を決定している。
 日本軍国主義はかつて、中国、朝鮮をはじめとして、アジア・太平洋諸国への植民地支配と侵略戦争によって多大な被害をもたらした。しかも、広島・長崎への原爆投下、無謀な沖縄戦によって、国内にも多くの犠牲者を生み出した。こうした侵略戦争を引き起こした深い反省から、日本国憲法が制定された。しかし、いまだ果たせていない戦後補償をはじめ、小泉首相の米国追従を強める政治姿勢や、度重なる靖国参拝強行がアジア諸国の不信を招き、反日行動の強まりの原因ともなっている。平和主義、基本的人権の尊重、主権在民という三大原則をもつ憲法と現実の乖離はますます大きくなっている。

 「世界人権宣言」は、人類共通の課題として、人権確立をめざすことが、世界の平和と民主主義の実現に大きく寄与することを明確にしたものであり、憲法もまた、そうしたことに不断の努力が必要であるとしている。
 しかし、憲法無視の政治のなかで、戦争の歴史を歪める教科書の採択運動や「愛国心」を盛り込む「教育基本法」改悪の動きとともに、憲法改悪の動きも急速に強まっている。とくに9月の総選挙での自民党圧勝を受け、自民党は「自衛軍」を明記するなど、第9条改悪を中心にした「新憲法草案」をまとめた。
 部落解放運動は、戦前の全国水平社が軍部の厳しい弾圧によって活動休止においこまれた反省から、敗戦後、一貫して部落差別撤廃の闘いのなかで「平和なくして人権なし、人権なくして平和なし」と連動をすすめてきた。
 「戦争は最大の差別であり、最大の人権侵害」という部落解放運動の立場を明確にして、憲法問題を考え、「平和と人権の21世紀」実現に向けた連帯の輪を大きく広げよう。


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