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部落問題資料室
NEWS & 主張
「共謀罪」新設に反対を
市民と表現者が院内集会
「解放新聞」(2006.11.06-2293)
 「共謀罪の新設に反対する市民と表現者の院内集会」が10月17日、参議院議員会館でひらかれ、100人が参加した。集会では、継続した闘いで共謀罪を廃案にするとともに、二度とこうした法案が提出されないよう運動を強めることを確認し、松岡徹・参議院議員、江田五月・参議院議員、保坂展人・衆議院議員、仁比聡平・参議院議員が発言し、廃案への決意を表明した。
 また、集会前には、参議院会館前で黒い布を口にまいて「もの言えぬ社会」を表現し、共謀罪反対を訴えるパフォーマンスをおこなうとともに、集会終了後には衆参議長宛の約9万筆の反対署名を提出した。
 松岡参議院議員は、「政府は死んだふりがうまい。気を緩めることなく廃案をめざす。この法案がとおるということは、日本の法体系が崩れることであり、国民の権利が守れなくなる」と厳しく批判した。
 ネットワーク反監視プロジェクトの小倉利丸さんは、この共謀罪は、コンピュータ監視関連法案とセットになったもの。インターネットや電話通信の蓄積データに警察がアクセスできるもので、監視の仕組みをつくることに主眼がある。取材の秘匿などが不可能になり、国民生活をまる裸にするものだとのべ、共謀罪の危険な内容を批判した。
 また、主催者団体でもある反差別国際運動日本委員会の森原秀樹・事務局長は、共謀罪はマイノリティの存在を許さないという法案だ。「見送り論」があるが、メディアの報道にまどわされずに闘おうと訴えた。
 このほか、日弁連や日本消費者連盟、許すな憲法改悪・市民連絡会、アムネスティ・インターナショナル日本、グリンピースジャパン、移住連労働者と連帯する全国ネットワーク、バウネットジャパン、日本山妙法寺などが発言し、共謀罪廃案にむけた闘いを訴えた。

【「共謀罪」新設の動き】
 臨時国会が始まった。政府自民党は、今国会に5法案を重点法案として与党協議で確認したという。この5法案とは、①教育基本法改正案②テロ対策特別措置法案③防衛「省」昇格法案④国民投票法案⑤北海道道州制特区推進法案をいう。この重点法案のなかに「共謀罪」がなく、今国会での見送りが取りざたされている。「政府は死んだふりが
得意」との批判もあり、いつ審議入りするか気を緩められない状況だ。
 これまでの国会論議のなかで、日本政府は「共謀罪新設」の根拠としている、国連「国際組織犯罪防止条約」起草委員会での発言(1999年)では、「共謀罪は日本の法原則になじまない」と主張している。しかも、日本政府が「共謀罪」新設の根拠といっていた第5条「組織的な犯罪集団への参加の犯罪か」のなかの「…必要な立法その他の措置をとる」という条項を留保して批准している事実を故意いに隠し、「外国の事案については承知していない」などとウソの答弁を繰り返していたことが明らかになった。日弁連などのとりくみで、必ずしも同条約の批准には、「共謀罪」の新設を必要としないことが明らかになっており、国会での論議は元に戻った状態のまま継続審議となっている。


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