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部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

運動方針案を各級
機関で論議しよう
「解放新聞」(2007.02.12-2306)

 第64回全国大会を3月3、4日に東京・九段会館を主会場にひらく。
 今年の大会は、例年以上に内外の注目が集まるものとなる。それは、昨年の一連の不祥事にたいし、部落解放同盟みずからが根本的に問題を切開し、総括し、克服する方向性をどう打ち出すのか、という関心からだ。
 全国大会の運動方針案は「解放新聞」の前号に掲載されたが、なかでも今大会で重視されるのが第1部「基調方針」の「三 危機的状況における部落解放運動再生への道」の部分だ。
 目次を紹介すると、つぎのようになる。
 1 部落解放運動は何をめざそうとしているのか(第3期運動論の検証)
 ①戦後最大の危機への認識②第3期運動論提起の歴史的背景③新たな運動に向けての「同和対策事業総点検・改革」運動④部落解放運動の現状と一連の不祥事の発覚
 2 一連の不祥事が意味するものは何か(運動と組織の体質化された問題)
 ①一連の不祥事への組織的対処②一連の不祥事にたいする基本的認識の姿勢③不祥事にかかわる憂慮すべき事態と背景への洞察④一連の不祥事への対処に関する「4つの基本視点」
 3 組織総点検・改革運動の意義と見えてきた課題 ①総点検・改革運動の「3つの基本姿勢」②組織総点検・改革運動で見えてきた課題③部落解放運動の「危機の核心」とは何か④第2期の「負の遺産」を断固として拒否する姿勢の確立(捨てる勇気からの再生)
 3 部落解放運動再生への課題と展望(創りなおす気概からの再生)
 ①部落解放運動の歴史的役割と社会的貢献への再認識②部落解放運動再生への道と決意③第64期のとりくみ主課題

 運動方針案では、現在の部落解放運動の「危機の核心」が特別措置法時代の弊害を払拭し切れていない運動と組織の体質にあること、それは同和対策事業を通じて生じた権力構造に起因するもので、権力行使の公正・公平さの確保と権力構造を固定化させない仕組みとあらゆる権力関係を対等に保持する努力を担保することができなかったことによって形成されてきた、としている。
 そして、ここから倣慢と怠慢が派生し、新たな運動への対応が遅遅としてすすまない状況をつくりだし、結果として今回の一連の不祥事を生みだし、社会的信頼を失墜させてしまった、と総括している。
 こうした論点を軸にした基調部分を主に論議しよう。そして、より総括を深め、今後の方向を示すことができるように、各級機関で討議を組織しよう。
 私たちがおしすすめる部落解放運動が、社会的信頼を取りもどし、いきいきと再生できる、という大会を作り上げていこう。

 もちろん、こうした総括論議とともに、狭山再審をめぐるとりくみ、「人権侵害救済法」制定のとりくみ、差別糾弾闘争のとりくみ、反差別共同闘争のとりくみ、福祉や教育のとりくみなどなど、山積する重要課題の方向性を論議することも重要だ。
 安倍政権は戦争ができる国づくりの一環として、昨年には「教育基本法」の改悪をはかった。こうした脈絡から、「人権侵害救済法」の制定へ向けても、国内外からの批判をあびながらも、法案提出にすら消極的な姿勢を示している。人権・平和・環境・民主主義という人類史的テーマを実現し、戦争政策への歯止めをかけるためにも、どう「人権侵害救済法」の制定をはかるのか、統一治体選挙・参議院選挙という政治決戦をどう担うかなどについても、真剣な論議が必要だ。
 運動方針案を各級組織で論議しよう。そして、それらの論議のエッセンスを全国大会にもちより、部落解放運動の一大飛躍へ、徹底した論議を展開しよう。

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